国際情勢

石油価格(WTI)は回復するか? サウジが財政悪化

現在の石油価格の低迷は、中国をはじめとする新興国の景気減速とOPECなどの産油国が減産しなかったことだ。

サウジアラビアはシェールオイルのシェア低下させたかった

2014年6月20日にWTIは107ドル台をつけた。しかし、その後、石油価格は下落、2015年には一時40ドル割れの水準になった。

ここ30年のOPEC諸国は、原油価格が下落すると減産し価格を高めに維持してきた。しかし、2015年からは、シェールオイルのシェア拡大を懸念して石油価格の低下を容認してる。それは、シェールオイルの損益分岐点が50~70ドルと言われていたので、シェールオイルを採算割れに追い込みたかったからだ。

アメリカはロシアの財政を悪化させるため、石油価格の下落させた?

2014年、ロシアがクリミアを併合した。これに対して西側は有効な対抗策が取れなかった。そのため、アメリカは石油価格を下落させ、資源輸出に依存するロシア経済に打撃を与えたえる政策をとった。

サウジアラビアの財政が悪化、赤字国債発行

サウジアラビアの歳入の90%は石油収入で、その財政的均衡価格は1バレル80ドルと言われる。

サウジアラビアの2015年予算は、石油価格60~70ドルを想定し、約400億ドル(約4兆8000億円)の赤字予算だった。しかし、2015年の石油価格は平均で50ドル台(WTI)となった。
このため、2015年のサウジアラビアの財政赤字は最大1500億ドル(約18兆円)まで悪化すると予想される。

それを補填するため、サウジアラビアは、700億ドル(8兆4000億円)の運用資金を取り崩し、さらに赤字国債50億ドル(約6000億円)を発行するまで追い込まれた。

サウジアラビアの財政基盤は強固

サウジアラビアの外貨準備額は、日本、中国、に次いで世界3位。7200億ドル(約86兆円)ある。さらに対外証券投資は20兆円を超える。

毎年15兆円の財政赤字を出しても5年は十分に耐えられる強固な財政基盤を持つ。

イランの石油輸出解禁で石油価格は下落するか?

2016年年明けにもイランの石油輸出の解禁が予想される。しかし、現実には、すでにイラン原油はブラックーマーケットに供給されていると言われる。

一説にはアジアの某自称大国が安くイラン原油を買っていると言われる。

したがって、イラン石油が国際マーケットに出たとしても、その分、ブラックマーケットへの供給量が減少するので、極端な供給過剰にはならないと思われる。

イランの原油生産は現状120万バレル(日)と言われ、石油輸出解禁により100万バレル増産(日)により合計220万バレル(日)になると言われる。

まとめ

サウジアラビアは、外貨準備を多く持ち、財政的には、2~3年で破綻することはない。

したがって、原油価格の値下げ競争は当面続くだろう。また、アメリカの原油輸出解禁により国際的に石油の供給過剰が続く。WTI価格は、30~60ドルで推移する可能性が強い。

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