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ダウンサイジングエンジンはなぜターボ付で燃費がいいのか?

ダウンサイジングエンジンとは1.5L(1,500cc)程度の小型排気量エンジン

従来、日本の普通乗用車は排気量2,000cc~3,000ccの自然吸気エンジンが主流だったし、今でもそうだ。

しかし、最近、日本もターボ過給ダウンサイジングエンジンが搭載の車が発売されるようになった。

ハイブリッドカーの欠点

プリウスのようなハイブリッドカーは燃費がいいと言われる。しかし、それは時速60km以下でストップ アンド ゴーが多い道路環境で言えること。

ハイブリッドカーは減速時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに蓄積し、加速時には逆に電機モーターでガソリンエンジンをアシストすることで燃費を良くしている。

したがって、あまり減速しない高速のロングドライブではバッテリーは充電されず、ガソリンエンジンだけで走行することになりハイブリッドでない普通のガソリン車と同程度の燃費となる。

ヨーロッパでは、ダウンサイジングターボエンジンが主流

ヨーロッパはアウトバーンのように時速150kmでロングドライブすることが多い。したがって、ハイブリッドカーでは燃費改善効果は期待できない。

そのため、ダウンサイジングターボエンジンが主流となっている。

ダウンサイジングターボエンジンはなぜ燃費がいいのか?

エンジンの燃費が一番いいのは、1気筒当たり400~500ccで3気筒とされる。つまり3気筒 1,500ccエンジンが一番燃費がいい。

しかし、1,500cc自然吸気エンジンでは、エンジン出力が低く時速150kmのロングドライブには向かない。そこでターボ過給によりエンジン出力を高めたのがダウンサイジングターボエンジンだ。

ターボ過給で燃費は悪化しないのか?

ターボ過給エンジンは燃費が悪いというイメージがあるが、それは直噴ではないタイプの従来型ターボエンジンの場合だ。

従来型ターボエンジンではエンジン室より手前でインジェクション(燃料噴射装置)から燃料を噴射し空気とガソリンを混合し、エンジン室にいれる。

ダーボ加圧するとエンジン内が高温になり異常燃焼することがあるので、ガソリンを余分に噴射し、エンジン室内で気化する際の気化熱でエンジン室を冷却するということをしていた。

最近のダウンサイジングターボエンジンの場合は、直噴タイプなのでガソリンをエンジン室の冷却に使うことはなく燃料噴射量を適切に管理できる。そのため、ターボ過給でも燃費は悪化しないようになった。

トヨタクラウンアスリートにもダウンサイジング直噴ターボ搭載

2015年10月 クラウンアスリート2.0Lターボエンジンが発表された。そこで従来の2.5L自然吸気エンジンと比較してみた。

エンジン 2.0Lターボエンジン(新) 2.5L自然吸気エンジン(旧)
出力 235PS 203PS
燃費 13.4km/L 11.4km/L

2.0Lダウンサイジングターボモデルの方が2.5L自然吸気エンジンよりも出力、燃費ともよくなっている。

日本で普及するか?

日本の交通事情は市街地走行が多いので、やはりハイブリッド、プラグインハイブリッドが主流になるだろう。

しかし、一部の欧州輸入車については、ダウンサイジングターボの販売が伸びる可能性がある。その高級イメージに影響され、国産2,000~3,000ccクラスの一部車種もダウンサイジングターボが搭載されるかもしれない。

ダウンサイジングターボ普及の影響

ダウンサイジングターボ用エンジンは、過給により内部の圧力が高くなる。従来の1,500ccエンジンにターボをつけるだけなら耐久性の問題からターボのブースト圧力を低く設定する必要があり本来の性能が発揮できない。

日本のメーカーがダウンサイジングターボに参入するならエンジンから新開発しないといけない。その開発には5年程度はかかると言われる。日本メーカーはハイブリッド中心に開発してきたので、ダウンサイジングターボエンジンでは出遅れている。

日本メーカーはターボチャージャーに強い

ターボチャージャー日本の三菱重工、IHIがそれぞれ世界シェアの2割を占め、日本メーカー2社で世界的シェアの4割を占める。

ターボチャージャーは1,000℃という高温、高速で回転する高度な技術が必要なので、中国メーカーなどは簡単に参入できない。

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