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X-2(先進技術実証機)初飛行(2016年4月22日)ステルス実証機の目的

X-2(先進技術実証機)

X-2とは、日本が独自開発中のステルス戦闘機の実証モデルで、従来は「心神」あるいはATD-Xと呼ばれていた。2016年1月に「X-2」と型式制定された。

初飛行

初飛行は2016年2月中旬に名古屋空港で地上走行試験を実施。

2016年4月22日に名古屋空港から、岐阜県各務原市の航空自衛隊「岐阜基地」までの初飛行を行った。

なぜX-2が開発されたのか?

1980年代のF-2戦闘機開発の教訓から日本独自ステルス技術を確立することが必要だったからだ。

X-2の性能

全長 エンジン推力 推力重量比
X-2 14m 10トン(2基合計) 7.8
F-2 15.5m 13トン(1基) 6
F-15 19.5m 17トン(2基合計) 7.8
F-22 19m 30トン(2基合計) 8

F-2とは?

F-2とは攻撃機(支援戦闘機)と呼ばれる戦闘機である。1980年代の日本はF-15J戦闘機をライセンス生産(一部はノックダウン生産)していた。

しかし、F-15Jは制空権用の戦闘機で、海上の対艦攻撃能力はない。そのためにF-1支援戦闘機の後継機としてF-16(F/A-18)のような攻撃機(支援戦闘機)が必要だった。

当時の日本にはF-16(F/A-18)用のエンジンを開発する能力はなく、アメリカからエンジンのみ供給を受け、独自に戦闘機を開発する方針だった。しかし、アメリカはこれを拒否した。

F-2開発に対するアメリカの思惑

アメリカにとって最良の選択はF-16をそのまま日本に購入させることだった。

戦闘機は高度な精密機械で常に部品交換しないと稼働できない。もし、部品供給が滞れば、技術のない国なら半年程度で戦闘機の運用に支障をきたす。3年も部品供給を止めれば、飛行機を飛ばすこともできなくなる。

つまり、アメリカは日本にF-16を購入させれば、将来的に日米が軍事的に対立したとき、日本への部品供給を止めさえすれば日本の航空戦力を数年間で弱体化できる。これがアメリカの戦略だった。

ではなぜ、アメリカはF-2共同開発に合意したのか?

アメリカは自国の国益を最重要にしている国だ。日本に対してもF-16を購入させるが最もアメリカの国益にかなうはずだが、F-16を原型にF-2を日米共同開発することに合意したことは不可解だ。

実はこの日米共同開発というのがアメリカの策略だった。アメリカは共同開発に合意したが、F-2戦闘機への「フライトコントロールシステムソースコード」の提供を拒否した。

この「ソースコード」はパソコンで言うとOSに当たる重要なソフトウエアで、これがないと飛行機はまともに飛ばない。アメリカは日本がソースコードの開発に失敗し、F-2の開発を断念して最終的にF-16を購入すると見ていた。

しかし、日本は1978年からT2練習機を利用してCCV(電子制御飛行機)の研究をしていた。この研究の実績から、F-2戦闘機用の「フライトコントロールシステムのソースコード」を独自開発できた。

もし、T2-CCV実験機がなければF-2の開発はもっと遅れていただろうし、場合によってはアメリカの思惑通りにF-16をそのまま購入していた可能性もある。

なぜステルス実証機が必要なのか?

ステルス戦闘機F-35はアメリカを中心とした西側諸国が共同開発している第5世代ステルス戦闘機で、開発費は現在までで50兆円とされ、最終的には100兆円に上ると言われる。

日本がもし独自にステルス戦闘機F-3(仮称)を開発するなら開発費は1~3兆円かかると言われる。したがって、ステルス戦闘機を各国と共同開発する方向だが、日本がステスル技術を持たないと、日本は開発費だけ負担し、出来上がった戦闘機を買うだけになってしまう。

そうなると、部品供給を止められれば、部品交換ができず数年で日本の戦闘機は飛べなくなる。そういう事態を避けるために、日本は独自ステルス技術を確立しなければならなかった。

F-2の性能はF-16と同等かそれ以上

F-2は開発段階で、主翼にクラック(ひび)がはいったり、レーダーの不具合があったため「欠陥機」と思っている人が多い。しかし、それは間違いで現在では問題点は解決できて、性能的にはF-16同等かそれ以上と言われる。

F-2の開発段階の主翼の強度はF-16以上で、F-16のようにミサイル(誘導弾)2発なら、なんの問題もない。F-16の2倍の4発のミサイルを搭載してフル旋回した場合に強度不足になったに過ぎない。

そもそも、F-2は時速50kmしかでない艦船を攻撃する航空機だ。4発のミサイルを搭載してマッハ2でフル旋回する必要は全くない。もしフル旋回するなら、ミサイル発射した後のことだ。ミサイル発射後は荷重が少なくなるので、フル旋回しても強度的に問題ない。

F-2が欠陥機であるような印象が広まったのは、実際にはありえないようなレアケースでの不具合を大きく報道されたことにある。

また、航空機は軽量化しないといけないので、設計強度はぎりぎり軽量化にするのは当然で、実験段階で多少の不具合がでるのは当然。

レーダーにしても世界初のアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESA)なので開発初期の不具合はしかたない。これも当時のF-16用レーダーを搭載すれば全く問題のない話で、これが致命的な欠陥であるはずがない。

F-2欠陥機説は、全く的外れの情報で、誰かがなんらかの意図でミスリードしたと思われる。

F-35の性能は?

F-35とF-15を比較した場合、F-35が優れているのはステルス性能とデータリンクだけだ。運動性能、兵器搭載量、航続距離などはF-15の方が優れている。

有視界飛行での空中戦であれば、F-15の方が勝つだろう。したがってF-35はF-4の後継機であって、F-15の後継機ではない。

実際にはAWACSとデータリンクしたF-35がF-15のレーダー圏外から空対空ミサイルで攻撃するので、F-15には勝ち目はない。

それでもF-35の運動性能はF-15よりも劣ることからF-15の後継機とはなりえない。

まとめ&補足

2030年にはF-15の後継機として新しいステルス戦闘機が導入されるだろう。共同開発になるしても、日本はステルス戦闘機を維持するためにステルス研究をしないといけない。そのためには「X-2」実証機が必要になる。

F-3(第5世代国産ステルス機)として開発できるかどうかはエンジン開発ができるかどうかにかかっている。というのもX-2のエンジン推力は1基当たり5トンであり、F-3用には最低でも10トンは必要になるからだ。

現在、日本はF-3戦闘機用エンジンの原型として「HSE」(ハイパースリムエンジン)を開発しており2018年にも完成予定だ。この「HSE」が計画通り15トンの推力を確保できれば、F-3の開発が正式決定される。

2016年現在、「HSE」の開発は順調で、2018年の完成の目途が立っている。

関連リンク

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