経済

フリーゲージトレインに将来はあるか?博多~長崎は暫定開業

フリーゲージトレインとは?

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日本の新幹線の線路幅は1,435mmだが、JR在来線の線路幅は1,067mmなので相互乗り入れはできない。この不便を解消するために、電車の車輪幅を1,435mmから1,067mmに変更できる電車が「フリーゲージトレイン」だ。

当初の導入計画路線

フリーゲージトレインは、当初、新大阪~高松(香川県)間に導入する計画だった。しかし、山陽新幹線が時速300kmと高速化した結果、最高速度270km/hのフリーゲージトレインでは、山陽区間の時速300km新幹線の運行に支障がでる懸念がでてきた。そのため、フリーゲージトレインの山陽区間導入は断念された。

九州新幹線と北陸新幹線に導入計画を変更

フリーゲージトレインの山陽区間への導入断念により、最高速度260km/hの九州新幹線と北陸新幹線への導入と計画変更した。九州新幹線、北陸新幹線は「整備新幹線」で、最高速度は260km/hとされる。

フリーゲージトレイン導入予定路線
九州新幹線区間 博多~長崎 2022年暫定開業予定
北陸新幹線区間 敦賀~大阪 10年後を目途に検討中

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博多~長崎フリーゲージトレインの問題点

博多~長崎フリーゲージトレインは、新大阪に乗り入れしない。山陽新幹線と九州新幹線の直通運転(新大阪~鹿児島間)が好調で、関西方面の客にとって直通運転の方が利便性が高く需要も大きい。

もし、博多~長崎間のフリーゲージトレインが導入されても、関西方面からの客は、博多駅で乗り換えしないといけない。

2022年の暫定開業

2022年に暫定開業が予定されているが、フリーゲージトレインの開発は耐久性の問題で難航している。

そのため、2022年の暫定開業時には、博多~新鳥栖間(新幹線26km)、新鳥栖~武雄温泉間(在来線51km)、武雄温泉~長崎間(新幹線66km)と3区間に分かれると予想される。

乗り換えの不便さを解消するために開発された「フレーゲージトレイン」なのに逆に乗り換え回数が1回増えるという計画になってしまった。

暫定開業なら、関西方面から長崎に行く場合は、飛行機の方が利便性が高いかもしれない。

地元ではフル規格を望む声も

地元長崎では、博多~長崎間を新幹線フル規格で建設を望む声が大きくなっている。新鳥栖~武雄温泉間(在来線51km)をフル規格にすると、新大阪から直通で長崎まで運転できるというメリットがある。

技術的にはどうか?

海外ではフレーゲージトレインが実用化されている。それはスペインだ。

スペインはフランスの進軍を懸念して、ヨーロッパ規格の1,435mmの線路幅ではなく、1,668mmの線路幅を採用した。

そのためフランスからの国際列車はスペイン国内には乗り入れできなかった。そこで、軌道可変電車(フリーゲージトレイン)を開発し、すでに運行している。

日本とスペインのフリーゲージトレインの違い

スペインのフリーゲージトレインは客車の車輪幅を変更するだけで、動力車は取りかえる。日本の場合、客車が動力車となる方式(重量分散方式)なのでスペインのような客車の車輪幅だけ変更する方式は採用できない。

まとめ&補足

日本の鉄道は1,435mmと1,067mmの線路があり、相互乗り入れしにくい。また、車輪幅の違う2種類の車両を作る必要がありコストアップになっている。

しかし、長崎新幹線のような最高速度270km/hで、しかも世界初の可変軌道動力車というのはハードルが高い。

当面、フリゲージトレインは時速100km程度で広軌の私鉄地下鉄と狭軌のJRとの相互乗り入れを都市部で導入する方が適している。線路幅統一の中間段階として有望な車両だ。

2022年の長崎新幹線暫定開業は、武雄温泉~長崎(軌道幅1,435mm)のみをフリーゲージトレインか新幹線で運行する方が現実的だと思われる。

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