国際情勢

尖閣 新型地対艦ミサイル開発、2023年にも宮古島配備か?

2016年8月14日付読売新聞によると、「政府は、尖閣諸島防衛のため射程300kmの新型ミサイルを開発し2023年頃の配備を目指す」

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12式地対艦誘導弾

新型ミサイル(地対艦誘導弾)の性能

射程は300kmとなり、石垣島、宮古島に配備すると尖閣列島の北方120kmまでが射程に入る。GPS誘導で敵軍艦まで接近し、最終誘導は自らレーダーを発射して敵艦を探知するアクティブ・レーダー・ホーミング式となる。

GPS誘導とアクティブ・レーダー・ホーミング式誘導はすでに12式地対艦誘導弾に採用されており誘導装置の技術的な問題はない。

ただ、88式地対艦誘導弾の速度は時速1,200kmで、もし、新型も同じならば、300km先に到達するのに15分かかる。軍艦の最大速度は時速50km程度なので15分で約12km移動できる。

ミサイルの速度をどこまで引き上げるかが開発の課題になっている。88式、12式ミサイルは固体燃料ブースターとジェットエンジンを使用して時速1,200kmだ。新型ミサイルはすべて固体燃料ロケット推進で、時速1,800km~2,400kmを目指すものと予想される。

液体燃料を使用するミサイルの場合、燃料を注入したままにしておくと腐食する。そのため発射直前に燃料注入しないといけないので即応性に劣る。一方、固体燃料ロケットは推進力の調整がしにくいので、誘導装置を高度化しないと命中率が悪化する。

今回の新型ミサイルの開発に当たっては、固体燃料ロケットの射程延長、小型化と誘導性能の向上が課題になると思う。固体燃料ロケットについては技術的課題は少ない。誘導装置の高度化の方が開発に時間がかかると思われる。

単に射程を300kmに延長するだけなら、液体燃料の搭載量を多くして、その分ミサイル長さを延長すればいいだけだ。2023年までの長期の開発期間は必要ない。

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現在の地対艦ミサイル

陸上自衛隊の地対艦ミサイルは「12式地対艦誘導弾」(射程200km)と「88式地対艦誘導弾」(射程150km)で、共にトラック(発射車両)に搭載でき、有事の際は移動できる。

「88式地対艦誘導弾」は沖縄方面を管轄とする西部方面隊(熊本)第5地対艦ミサイル連隊に配備されている。

「12式地対艦誘導弾」16車両(ミサイル96本)も2016年度から西部方面隊(熊本)配備予定である。有事の際は沖縄県の離島にミサイル発射車両を運搬して防衛する。

現在の尖閣周辺の状況

尖閣列島から石垣島は170km、宮古島までは180kmの距離がある。尖閣列島から中国大陸までは約330kmで尖閣列島の北方約100km~150kmに中国海軍の軍艦が待機している。自衛隊は尖閣列島の南側約50km~100kmで護衛艦と潜水艦を展開している。

つまり尖閣列島を挟ん自衛隊護衛艦潜水艦中国軍艦が対峙しているのだ。中国の軍艦が待機している海域は水深150m~200mと浅く、潜水艦が発見されやすい。

海上自衛隊の「そうりゅう型潜水艦」は水深700m~900mまで潜航できるが、水深150m~200mの海域では発見される可能性があり、中国軍艦に接近できない。

また、「12式地対艦誘導弾」の射程は最大200kmなので、石垣島、宮古島から尖閣の領海(島から約22km)を防衛できるが、現在、中国軍艦が待機してる海域には到達できない。

中国の対応

中国はロシアから射程400kmの地対空ミサイル「S-400」を輸入する契約を2015年上半期に締結し、2017年から中国に配備予定である。

S-400の価格は1セット5億ドル(約600億円)で、中国は合計6セット30億ドル(3,300億円)。

中国大陸から尖閣列島は約330kmで射程400kmなので、尖閣列島から南側70kmの空域は中国からミサイル攻撃を受ける可能性がある。

中国S-400配備で防空識別圏を強化

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