国際情勢

北朝鮮のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の射程は1,000km~2,000kmか?

2016年8月24日、北朝鮮はSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を発射し、500kmを飛行し日本の防空識別圏に落下した。

このSLBMは「北極星1号」と呼ばれ、NATOのコードネームは「KN-11」。

原型は旧ソ連のミサイル

北朝鮮のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の原型は旧ソ連のR-27(米国コード

SS-N-6)だ。

旧ソ連では1968年に実戦配備され、初期型の射程は2,400kmだったが、1970年代には最大射程4,000kmまで延長された。

全長は9.7m、直径1.5mで、液体燃料が使用されていた。

1991年の旧ソ連の崩壊でロシア人ミサイル技術者が北朝鮮に渡り、北朝鮮でミサイル開発をしたと言われる。

 

北朝鮮のSLBMの性能

旧ソ連のR-27ミサイルは液体燃料であったため、長期間液体燃料を入れたままにしておくと、金属が腐食するという欠点があった。

そのため、発射直前に液体燃料を注入しないといけなかった。米国、日本の偵察衛星はこの燃料注入を捕捉し、ミサイル発射の兆候をして、迎撃準備していた。

今回発射された北朝鮮のSLBMは固体燃料に変更した。

北朝鮮のSLBMの直径は1.2m~1.5m、全長は8m~9mで、弾頭搭載重量は650kg、射程は1,000km~2,000kmと見られる。一部には、射程は2,800kmに達するとの見方もある。

 

ムスダンと基本的に同じもの

北朝鮮は旧ソ連のR-27(SLBM 潜水艦発射弾道ミサイル)を陸上発射型ミサイルの「ムスダン」として開発した。

その「ムスダン」を基に今回発射されたSLBMを開発した。

元々、R-27はSLBMだったため、ムスダンからSLBMの開発は比較的容易だった。

 

射程について

R-27は液体燃料であったが、固体燃料にすると射程が短くなる。R-27の初期型の射程は2,400kmなので、その6割としても、北朝鮮のSLBMの射程は1,440kmになる。

R-27は1968年配備されたもので、約50年前の技術で可能だった。ロシア人技術者が北朝鮮のミサイル開発を担当しているので、R-27の6~8割程度の性能をもっていると予想される。

また、今回発射したミサイルは垂直に近い角度で打ち上げられて500km飛行した。もし、45度~60度で打ち上げられた場合は800km~1,000kmは飛行したはずだ。

日本の迎撃態勢

日本の自衛隊は北朝鮮の弾道ミサイルを海上自衛隊のイージス艦搭載のSM-3で迎撃する体制。

ただし、現在イージス艦に配備されているSM-3ブロックⅠAでは、高度500kmまでしか迎撃できない。今後配備されるSM-3ブロックⅡAは高度1,000km以上の弾道ミサイルも迎撃できる。

イージス艦が打ち漏らした場合は地上配備のPAC-3で迎撃する。ただしPAC-3の射程は20km程度しかなく、今後射程を30kmまで延長する計画。

関連リンク

北朝鮮のSLBMは2020年頃配備か?

-国際情勢