国際情勢

次世代「そうりゅう型」潜水艦を尖閣に投入、中国と全面対決へ

海上自衛隊、最新鋭潜水艦29SS、建造へ

2016年8月、防衛省はリチウムイオン電池を搭載した次世代「そうりゅう型」潜水艦の建造費760億円を概算要求に盛り込んだ。

これで、2017年度(平成29年度)にも次期新型潜水艦の建造が開始され2021年度(平成33年度)に就航の見通しになった。

最新鋭潜水艦は「そうりゅう型」潜水艦のAIP(非大気依存推進装置)を廃止し、リチウムイオン電池を搭載するが、それだけではない。

そこには、防衛省が、本気になって尖閣列島を中国軍から防衛する意思が見える。

次世代「そうりゅう型」潜水艦の開発目標

現行「そうりゅう型」の1番艦~10番艦はAIP(非大気依存推進装置)を搭載している。しかし、このAIPでは水中速度が時速10kmと遅く、また設置面積が大きいため、居住スペースを圧迫していた。

そこで新型潜水艦は大容量リチウムイオン電池を搭載し、水中速度の向上と居住スペースの確保をすることにした。同時にさらなる性能向上のため燃料電池も搭載する可能性がある。

尖閣周辺海域での「そうりゅう型」潜水艦の弱点

尖閣列島は東シナ海の大陸棚の末端に位置し、その周辺海域の水深は浅い。

具体的には、尖閣列島の北側は水深100m~200mの浅い海が中国大陸まで続く。一方、南側は尖閣から12km沖で水深500m、15km沖で水深1,000mと急激に深くなっている。

水深の浅い海では、そうりゅう型潜水艦の能力を発揮できない可能性がある。

水深100m~200mの浅い海では、「そうりゅう型」潜水艦でも敵に発見される危険性が高い。したがって、そうりゅう型潜水艦は水深の深い尖閣南側の海域から、尖閣の北側に隠れる中国艦船を攻撃することになる。

しかし、「そうりゅう型」に搭載する「89式魚雷」は、浅い海では、岩礁など障害物を目標と誤認する可能性がある。

魚雷は速くても時速120kmなので、20km先の敵に到達するまで約10分かかる。その間、敵艦艇は4~5km移動することができるので、魚雷が自立的に最終誘導する必要がある。

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新型潜水艦の尖閣対応装備

新型潜水艦は、尖閣列島で中国軍との決戦を念頭に、水深200m以下の東シナ海に対応する。

1 新型魚雷「G-RX6魚雷」

まず、浅い海でも中国艦船を撃沈できる新型魚雷を開発した。

それが「G-RX6魚雷」で現行の「89式魚雷」の次世代モデルで、有線誘導される。

敵の囮(おとり)装置を回避し敵艦に命中できる。また、地形が複雑な浅海域から深海域まで対応する万能魚雷となる。平成30年度に実戦配備される予定で、新型潜水艦の就役予定平成33年度には十分に間に合う。

2 次世代音響(ソナー)システム

艦首型アレイ(BOW ARRAY)、えい航型アレイ(TOWED ARRAY)、側面型アレイ(SIDE ARRAY)の各ソナーからの信号を処理し敵艦艇の運動解析を自動的に行い、戦闘指揮のレコメンドを行う高度なシステム。(SIGNAL PROCESSOR)

3 低騒音性の向上

流体雑音低減型潜水艦船型の研究試作を行っており、大型化する新型潜水艦でも静穏性を維持できる。また浮甲板構造も採用する。

「そうりゅう型」潜水艦11番艦

次世代「そうりゅう型」潜水艦は、29SSで、まったくの新型潜水艦となる。

しかし、いきなり、新設計するのではなく、まず「そうりゅう型」潜水艦11番艦で改良を実施する。

具体的には現行「そうりゅう型」潜水艦のAIP(非大気依存推進)を廃止し、リチウムイオン電池を搭載する。

この経験を基に新型潜水艦29SSを建造する。

リチウムイオン電池搭載の「そうりゅう型」11番艦の建造費は643億円で、新型潜水艦は760億円と127億円高い。

従来、潜水艦の建造費が増加する場合、船体が大型化されることが多かった。もちろんリ新型艦の開発費なども含まれると思われる。

しかし、127億円の大幅な増額なので、船体の大型化すると予想される。

新型艦の魚雷搭載本数は?

現行の「そうりゅう型」潜水艦には20本~22本の魚雷やハープーンが搭載されている。通常であれば十分な魚雷本数で問題はない。

しかし、中国艦艇50隻~100隻が尖閣に飽和攻撃を仕掛けてきた場合、魚雷を打ち尽くせば、一旦、佐世保や呉の母港、あるは潜水艦母艦まで戻らないといけない。

そのため新型潜水艦29SSは船体を大型化して魚雷本数を24本~30本搭載する可能性がある。

VLSは搭載されるか?

尖閣での中国軍との対決の場合、日本の潜水艦は水深の深い南に展開、中国軍は水深100m~200mの北に展開する。

やはり、魚雷では尖閣の影に隠れて攻撃しにくい。新型船は船体を大型化すると予想されるのでVLS(垂直発射装置)を搭載して、長距離ミサイルを搭載する可能性はある。

しかし、現行「そうりゅう型」潜水艦でも、魚雷発射管から対艦ミサイル「ハープーン」(射程約280km)を発射できるのでそれで対応するだろう。

したがってVLSの搭載は今回は見送りと予想される。

29SSの装備

・リチウムイオン電池は、潜水艦用主蓄電池(SLH)と呼ばれジーエス・ユアサ テクノロジー 製の可能性が高い。

・永久磁石同期モーター(Permanent Magnet Synchronous Motor)

モーターの回転子(ローター)に永久磁石を採用、モーター損失を低減、約50%小型化を実現した。

鉄道車両用に2006年頃から実用化されており、エネルギー変換効率が90%以上と従来型の誘導電動機よりも約40%向上した。

熱発生がすくなく、全閉構造にできる。したがって、低騒音化約10dBの低減できる。

ケーブルセンサー

潜水艦は水中にいる場合、外部と通信ができない。しかし海上自衛隊は日本近海にケーブルセンサー網を張り巡らせ、水中の潜水艦と通信していると言われる。

これを利用すれば、E-767、P-3C、E-2Cが敵艦艇の位置を捕捉し、水中の潜水艦にデータリンクすることで、そうりゅう型潜水艦から、対艦ミサイル「ハープーン」を発射できる。

そうりゅう型潜水艦は、アクティブソナーなどを発することなく、魚雷やハープーンを発射できる。海のステルス兵器と言える。

まとめ

現行「そうりゅう型」でも中国軍に十分勝てるが、新型潜水艦は、尖閣水域の浅海域でも能力を発揮できるよう開発されている。

関連リンク

世界最強「そうりゅう型」潜水艦の潜航深度と性能

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