国際情勢

それでもトランプ氏が大統領になる理由、2016年アメリカ大統領選挙、ヒラリー敗北か?

テレビ討論はヒラリーの勝利だが

2016年9月26日、アメリカ大統領選挙の第1回目のテレビ討論会が開かれた。メディアの多くはヒラリー・クリントンの優勢を伝えた。実際、テレビ討論会の内容だけ見ればヒラリーが有利なのは明らかだ。

かつて、1960年のケネディ氏とニクソン氏のテレビ討論会でケネディ氏は若々しい印象を米国民に与えそのまま大統領選の勝利した。しかし、トランプ氏とヒラリー氏の場合は、事情が異なる。というのは、両者とも知名度があるので、1回のテレビ討論会の結果だけでは大統領選挙の結果にはあまり影響しないからだ。

中流以下の白人層の不満

かつて、アメリカの中流白人層は夫婦共働きで世帯年収8万ドル~10万ドル(800万円~1,000万円)というイメージがあった。しかし、今では、白人中間層の世帯年収は5万ドル~8万ドル(500万円~800万円)まで落ち込んでいる。

しかも、夫婦のどちらかがリストラに合えば世帯年収はすぐに2万ドル~3万ドル(200万円~300万円)になってしまう。

一方で世帯年収10万ドル(1,000万円)以上の上位中流層を言われる世帯は約20%におよびアメリカ社会では貧富の差が拡大する傾向にある。

なぜ格差が広がったのか?

経済のグローバル化により、アメリカで生産するより、海外から安く調達できるようになった。グローバル企業のエリート社員は生産コストが下がった分、自分たちの年収を上げることができた。

特にアメリカ企業の中国への工場移転、現地生産を後押ししたのがクリントン元大統領と言われる。

また、アメリカのヒスパニック系移民の人口は2010年には5,000万人に達した。彼らは低賃金で働き、白人中間層の仕事を奪ったとされる。

トランプ氏支持の理由

トランプ氏は高級ホテル、高級マンションを所有する富裕層だが、なぜ、アメリカの中間層以下の白人の支持を集めるのか?それはトランプ氏が、アメリカの不動産ビジネスで成功したからだ。

一方ヒラリーは、アメリカ企業のグローバル化を推進しウォール街から大きな利益を得たとされる。その結果、アメリカ国内の工場は閉鎖され、海外工場で安くアメリカに逆輸入されることになった。

同じ富裕層でも、トランプ氏の方が庶民の支持を集めやすい。

また、トランプ氏は1995年に9億1600万ドル(約920億円)の損失を申告し、以後18年間毎年5,000万ドルの所得があったにも関わらず所得税を支払ってなかったと報道されている。

これについても企業ならよくある合法的な損失の繰り延べだ。企業並みの不動産事業を行うトランプ氏が企業会計のように損失の繰り延べをすることは、大きな批判は起きない可能性がある。

中国系アメリカ人はヒラリーを支持しない?

2016年9月20日に、安倍首相をヒラリー氏とNYで会談した。これはヒラリー氏側から要請したものだった。

かつてクリントン元大統領は中国系アメリカ人の支持を受け大統領選挙に勝利したと言われる。もし、ヒラリー氏が中国系アメリカ人の支持を受けていたならば、現職の日本の首相との会談を自ら要請することはないだろう。

つまり、中国系アメリカ人はむしろトランプ氏を支持している可能性がある。中国人は力強いリーダーを希望する傾向にある。また、中国政府も首脳同士1対1でなんでも決定できるリーダー方が交渉しやすいと思っているし、トランプ氏なら中国よりに政策変更させれると見ている。

接戦州でトランプ氏とヒラリー氏の支持率は拮抗

第1回テレビ討論でヒラリー氏が有利と報道されたが、接戦州の1つノースカロライナ州ではヒラリー氏の支持率は46%、トランプ氏は45%とほぼ拮抗している。

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