国際情勢

新型護衛艦25DD「あさひ」5,000トン級進水、尖閣列島で中国潜水艦を撃破

25DD新型護衛艦

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写真は19DD「あきづき型」護衛艦

海上自衛隊の新型護衛艦25DDあさひ」が2016年10月19日に長崎市の三菱重工長崎造船所で進水した。あさひ型護衛艦の1番艦で基準排水量約5,100トン、全長151m、全幅18.3m、深さ10.9mと19DD護衛艦「あきづき」級とほぼ同じ大きさとなっている。

25DD護衛艦の特徴は、対潜水艦能力を向上させたことにある。海上自衛隊には、P-3C哨戒機P-1哨戒機SH-60K哨戒ヘリコプター(ひゅうが護衛艦搭載)などの対潜装備品があるのになぜ、対潜護衛艦が必要だったの?

それは中国の軍事力拡大に対応するためだ。中国には2017年にもロシア製長距離地対空ミサイル「S-400」を配備する予定だ。この「S-400」はマッハ5、射程400kmで、中国大陸沿岸に配備すれば、尖閣列島(中国大陸から最短距離330km)が射程に入る。

中国空軍はSu-27、Su-30、J10、J11などの第4世代戦闘機を740機保有している。一方、日本の自衛隊の第4世代戦闘機はF-15J(近代化改修機)とF-2の合計の約185機しかない。しかも、中国機は射程200kmのR-77空対空ミサイル(西側のAIM-120 AMRAAMに匹敵)を装備している。

したがって、早ければ2017年にも尖閣列島上空に日本の自衛隊戦闘機F-15Jが安易に近づけなくなる可能性がある。F-15Jの支援ない場合、速度の遅いP-3C哨戒機、P-1哨戒機、SH-60K哨戒ヘリコプターは撃墜される可能性があり出撃できない。

もちろん、近代戦では航空機単体での戦闘ではなく、AWACSの支援を受けて、敵機のレーダー圏外から攻撃するため、戦闘機だけの性能、数を比較しても意味がない。それでも、航空機単体では中国軍が有利になったことから、自衛隊は、制空権(航空優勢)を失った場合に備える必要が出てきた。

また、気象条件が悪化した場合、P-3C哨戒機、P-1哨戒機、SH-60K哨戒ヘリコプターが出撃できない可能性がある。

つまり、尖閣空域の制空権(航空優勢)を中国軍に取られ、悪天候で日本の哨戒機が出撃できない場合にも、中国の潜水艦や小型艦艇を確実に撃沈するために新型護衛艦が必要になったのだ。

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19DD「あきづき」級護衛艦との比較

19DD「あきづき」級護衛艦は、防空重視のフェーズドアレイ・レーダーFCS-3Aを装備し「空のミニイージス艦」と言える。

一方、25DDは強力な対潜機能を持つ「海のミニイージス艦」と言える。

25DD「あさひ」型護衛艦の就役の効果

25DD護衛艦が就役すると、海自艦隊は、イージス艦、ヘリ搭載護衛艦、空のミニイージス艦、海のミニイージス艦が揃う。これにより、北朝鮮の弾道ミサイルから、中国の潜水艦まで日本周辺のあらゆる危機に対して切れ目なく対処できる最強防衛艦隊が完成する。

25DD新型護衛艦の装備、性能

対潜装備ソナー

25DD「あさひ」型護衛艦の特徴は対潜攻撃力にある。まず、ソナー(艦首型OQQ-24と曳航型OQR-4)は、マルチ・スタティック機能を強化した。

これは、艦隊のうち1艦だけがピンガー(発振音)を打ち、その他の艦船がパッシブソナーで受信し解析するシステムだ。ピンガーを打つのは1艦だけなので、他の艦艇が敵からの発見される確率は少なくなり、被攻撃率を下げることができる。

魚雷

12式短魚雷(開発コードG-RX5)は、尖閣北側の水深100m~200mの浅い海域でも命中精度を向上させた最新型魚雷で、HOS-303短魚雷発射管から発射される。また07式垂直発射魚雷投射ロケットの弾頭に搭載されている。

レーダー

アクティブ・フェーズド・アレイレーダーを搭載する。25DD「あさひ」型護衛艦は防空能力よりも対潜能力を向上させたため、艦隊防衛用の「FCS-3A」ではなく、個艦防衛用の「FCS-3」となる。

固定アンテナ4面が艦橋部に集中配置されているが、これは、レーダー設置位置の自由度を上げるためと思われる。またXバンドレーダーも搭載する。

VLS(垂直ミサイル発射装置)

Mk41型のVLSが16セル装備されている。19DD「あきづき」型護衛艦の32セルより半減されているが、16セルを増設することが可能となっている。

このMk41型VLSからは、ESSM(シースパロー後継ミサイル)、短SAM(対空ミサイル)、07式SUM(対潜ミサイル)、07式垂直発射魚雷投射ロケット(07VLA)を発射できる。

機関

ガスタービン2基に推進電動機2基を組み合わせたハイブリッド推進方式を海自の艦艇で初めて採用した。ガスタービン4基の従来の護衛艦に比べ、維持整備費が低減される。

COGLAG方式とは、低速ではガスタービンエンジンで発電し電気モーターで推進する。高速ではガスタービンエンジンによる直接推進も併用する。これにより、低燃費と高速運転が可能となる。

また、最近の護衛艦は強力なレーダーを動かすために、大量の電力が必要となる。そのうえでも、電気推進方式は大量の電力を発電することができ有利と言える。

建造費

25DD護衛艦の建造費は760億円。ちなみにイージス艦27DDG(基準排水量7,000トン)の建造費1,700億円。

まとめ

イージス艦が弾道ミサイル迎撃態勢にはいると、レーダー索敵範囲を絞るため、航空機、海上艦艇の発見が手薄になる。しかし、そのために、建造費1,700億円のイージス艦を建造することはオーバースペックとなり経済的ではない。また、イージス艦は小型艦艇に対応しにくいとされる。

このような経緯から、防空能力を担当する「空のミニイージス」19DD護衛艦(建造費750億円)と、対潜、対海上艦艇を担当する「海のミニイージス」25DD護衛艦(建造費760億円)を建造することになった。

これらのミニイージス艦の建造により、日本の防衛体制は対中国戦を想定したより実戦的な部隊編成になったと言える。

また、「あさひ型護衛艦」は2番艦まで予算化されているが、最終的には5~6隻建造されると予想される。

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