国際情勢

3,000トン級新型護衛艦構想、30DX(30DEX)で尖閣を防衛

現在の海上自衛隊の主力護衛艦は、イージズ艦(7,000トン)、あきづき型護衛艦(5,000トン)、あさひ型護衛艦(5,000トン)で、最新型への更新がほぼ決定している。

今後はより小型護衛艦の更新が予定されている。

具体的には基準排水量2,000トンの「あぶくま型護衛艦」6隻、基準排水量3,000トン「はつゆき型」5隻(練習艦3隻を含む)、「やえやま型」大型掃海艦3隻、を統合して、多機能護衛艦として更新する計画がある。

3,000トン級30DX護衛艦

30DX護衛艦は自衛隊が平成30年度(2018年)に予算化を目指している3,000トン級護衛艦で、最終的には22隻を建造する予定だ。

 仕様 30DX あぶくま型護衛艦
基準排水量 3,000トン 2,000トン
満水排水量 2,500トン
全長 120m 109m
全幅 18m 13.4m
速力 30ノット(時速55km) 27ノット(時速50km)
乗員 100人 120人
航続距離 約10,400km
ステスル性 有り 無し

この3,000トン級30DX護衛艦は、あぶくま型(基準排水量2,000トン)のみならず、あさぎり型(基準排水量3,500トン)、はつゆき型(基準排水量3,000トン)、ミサイル艇、掃海艦をも代替する多機能護衛艦で、場合によっては2,000トン級~3,000トンまで数種類を建造する可能性がある。

30DX建造の背景

この3,000トン級護衛艦30DX建造は、アメリカの戦術の変化が影響している。冷戦時代、アメリカは、原子力空母を攻撃力の中心とし、その空母を防衛するイージス艦などからなる空母打撃群を主力部隊としていた。これは、米ソの大規模な戦闘を想定したものだった。

しかし、現在では、超大国による空母機動部隊同士の大規模な軍事衝突の可能性は低くなった。もちろん、将来的には米中の大規模な軍事衝突の可能性はあるのだが、中国が空母を実戦運用するには少なくとも10年はかかる。

現時点では、むしろ、ロシアのクリミア併合に見られるように、小規模な地域紛争、領土争いの可能性の方が高い。

日本近海では中国による尖閣列島侵攻が懸念される。尖閣列島のような島嶼(とうしょ)防衛には3,000トン級の小型護衛艦が適している。

というのは、7,000トン級のイージス艦は6隻しかなく、多くの島嶼を防衛するには数が少なすぎる。また、イージス艦は主として弾道ミサイル防衛任務につくことが多く、島嶼(とうしょ)防衛のために常時、イージス艦を配備するのは効率的ではないからだ。

データリンクによる戦闘形態の変化

米国では、個艦同士のデータリンクが高度化したことにより、攻撃力を空母のみに頼るのではなく、個艦が独自に攻撃力を持つ「武器分散システム」が有力となってきた。

日本の自衛隊もアメリカの戦術変化の影響を受け、イージズ艦(7,000トン)、あさひ型護衛艦(5,000トン)と武器分散システム体系に沿って護衛艦の構成を変化させてきた。

その完成形が3,000トン級新型護衛艦30DX構想と言える。この30DX護衛艦の目的は、「中国軍の日本領海、島嶼部への接近阻止」と「中国軍が上陸した場合の島嶼奪還」だ。

3,000トン級新型護衛艦30DXは、尖閣列島など島嶼(とうしょ)防衛のために、オスプレイV-22 水陸両用車AAV7とともに欠かせない防衛省の装備品となる。

自衛隊の島嶼(とうしょ)防衛の考え方

自衛隊は尖閣列島に部隊を配備していない以上、初戦で中国軍が尖閣に上陸することはやむ終えないと考えている。

自衛隊は、中国軍に尖閣に上陸させた後、中国軍を攻撃、尖閣列島を奪還する作戦を立案している。

当然、そのまま、自衛隊が尖閣に常駐し、軍事基地化することを構想している可能性がある。

水陸両用上陸作戦総合訓練「ドーン・ブリッツ」

2013年にはアメリカで実施されてた水陸両用上陸作戦総合訓練「ドーン・ブリッツ」に自衛隊も参加している。また、2015年にも自衛隊はこの「ドーン・ブリッツ」に2回目の参加をした。

演習参加した自衛隊装備品

陸上自衛隊 Ch-47JA AH-64D

海上自衛隊 護衛艦ひゅうが(DDH-181)、護衛艦あしがら(DDG-178)、輸送艦くにさき(LST-4003)、 艦載ヘリSH-60

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