国際情勢

米軍の北朝鮮空爆は、2017年4月27日(木)か?

トランプ大統領の基本方針

北朝鮮の核爆弾の重さは2,000kgで、テポドン2に搭載することはできない。

しかし、北朝鮮の金正恩党委委員長は2017年の新年の辞で「年内にICM発射実験を行う」と宣言した。

このため、2017年内にも核弾頭搭載可能なICBMが完成する可能性がある。

トランプ大統領は、北朝鮮が核弾頭搭載可能なICBM(大陸間弾道弾)を開発・保有することを絶対に容認しない。

したがって、米軍は北朝鮮が核兵器搭載ICBMを開発する前に北朝鮮を攻撃する方針と思われる。

 

アメリカの懸念

アメリカが北朝鮮を空爆すると、北朝鮮が弾道ミサイルを韓国、日本、米軍基地に発射する可能性がある。そこで、北朝鮮のミサイルを考える。

北朝鮮の保有するミサイル

射程距離 命中精度
スカッド 500km
スカッドER 1,000km 1km
ノドン 1,500km 3km
ムスダン 3,000km
テポドン2 10,000km

スカッドERの射程1,000kmなので、北朝鮮から九州北部、岩国の在日米軍基地に到達する。ノドンの射程は1,500kmなので日本列島全体がほぼ射程圏に入る。

 

米国、日本、韓国の迎撃ミサイル

THAAD PAC3 SM-3ブロック1A SM-3ブロック2A
射程 200km 20km 1,200km 2,000km
高度 150km 15km 600km 1,000km
ミサイル単価 10億円~15億円 5億円 20億円 30億円
システム価格 1,000億円~1,500億円 1,000億円~2,000億円 1,000億円~2,000億円

日本は、イージス艦4隻にSM-3ブロック1Aを搭載している。しかし、弾道ミサイルは同時に2発しか迎撃できない。

また、SM-3ブロック1Aの命中率は80%とされ、1発の弾道ミサイルに対し2発のSM-3ブロック1Aを発射して迎撃する。

つまり、日本のイージス艦4隻で同時の場合は8発の弾道ミサイルしか迎撃できない。

また、1隻のイージス艦には8発のSM-3ブロック1Aしか搭載していないので、4隻で合計32発のSM-3ブロック1Aしかない。これでは最大16発の北朝鮮の弾道ミサイルにしか対応できない。

北朝鮮は日本を標的に約200発のミサイルを配備していると言われるので、これらが1~2時間ですべて発射された場合、184発が日本に到達する可能性がある。

それらはPAC-3で迎撃する方針だが、射程が20kmしかなく、日本全土をカバーすることはできない。

弾道ミサイルの弾頭がTNT火薬の場合でも、1発で半径数十mに被害が及ぶ。東京の都心なら超高層ビルが崩壊する可能性もある。その場合、1発で2,000人くらいの犠牲者がでる計算だ。

北朝鮮のミサイル184発が日本に着弾するなら最大約37万人の犠牲者がでる可能性がある。

ただ、北朝鮮は在日米軍を目標にしていると公言している。北朝鮮のミサイルの命中精度は1km程度なので在日米軍基地を目標にしても基地の建物をピンポイントで攻撃することはできない。基地の滑走路に着弾したなら数十mの穴ができる程度で被害は少ない。

 

米軍はいつ空爆するのか?

1991年の湾岸戦争では新月(月齢0)近辺の月明りのない夜間に米軍は空爆を開始した。

開始日 月齢
湾岸戦争 1991年1月17日(木曜) 月齢1.14
イラク戦争 2003年3月20日(木曜) 月齢17

 

1991年の湾岸戦争以後、米軍はイラク国内に飛行禁止区域を設定していた。イラク戦争では、イラクの防空網は弱体化していたので月齢17でも攻撃を開始したと思われる。

新月(月齢0)に攻撃を開始するのは、暗い夜間の方がステスル機や高度なレーダーを保有する米軍に有利となるからだ。

北朝鮮を攻撃する場合も新月近辺の暗い夜に開始すると思われる。

3月と4月の新月は

  • 2017年3月28日(火)月齢29.49
  • 2017年4月27日(木)月齢0.59

米韓合同軍事演習

2017年3月1日から実施されている米韓合同軍事演習は2017年4月末には終了すると思われる。

 

5月9日に韓国大統領選

3月14日韓国中央選挙管理委員会は「5月9日までに新大統領を選出するように」との談話を発表し、投票日は5月9日に暫定的に決定した。

これは、韓国大統領が罷免された場合、60日以内に大統領選挙が実施される規定があるからだ。朴槿恵前大統領は2017年3月10日に罷免されたので、60日後は5月9日になる。

次期韓国大領領は北朝鮮に融和的な「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏が就任する可能性が高い。

戦時指揮権は米軍にあり、韓国大統領でも韓国軍を指揮できないのだが、それでも、親北朝鮮の韓国大統領がTHAAD配備を撤回したりして、米軍が北朝鮮を攻撃するのに支障がでる可能性がある。

したがって、米軍にとっては、次期大統領選挙前に北朝鮮への空爆を開始したい。

 

2017年4月27日(木)に開戦か?

  • 米韓合同軍事演習が4月末には終了する
  • THAADミサイルの配備が4月末に完了する
  • 4月上旬、習近平主席、訪米、米中首脳会談
  • 4月18日~20日 ペンズ米副大統領来日
  • 月明りのない夜間(新月)は4月27日である
  • 韓国大統領選挙が5月9日に予定されている

これらのことから、4月末、特に4月27日(木)米軍が北朝鮮を空爆する可能性がある。

もちろん、それまでに、アメリカは中国、日本、韓国などと調整を行い、その結果、北朝鮮を空爆しないという結論もありえる。

 

北朝鮮崩壊後どうするのか?

北朝鮮が崩壊し、100万人単位の難民が韓国、中国に押し寄せることは回避したい。そのため、米軍は金正恩党委員長が亡命することを望んでいる。

しかし、金正恩党委員長が亡命しないならば、金正恩党委員長とその側近だけを数日で除去することになる。

韓国には、ウサマ・ビンラディン氏を暗殺した米海軍の特殊部隊「ネイビーシールズ」と米陸軍「デルタフォース」が投入される。

金正恩政権が倒れれば、金正男氏の長男、キム・ハンソル氏が若き指導者となって北朝鮮で新政権を樹立すると考えられる。

米中にとっては政治経験のないキム・ハンソル氏を自分たちの都合のいいように動かせるので都合がいい。

 

アメリカは決断するのか?

これ以上北朝鮮が暴走し、アメリカ主導の国連軍の攻撃により北朝鮮が崩壊した場合、朝鮮半島全体が親米国家になる恐れがある。これは、中国も容認できない。

したがって、中国も米軍による北朝鮮へ空爆を容認することで、北朝鮮の現政権が崩壊した後の新政権に対して影響力を維持したいと考えている。

米軍が北朝鮮を攻撃すると日本と韓国で数十万人の犠牲者が出る可能性がある。これが唯一、米軍が北朝鮮攻撃を断念する理由になりえる。

しかし、1年後に北朝鮮が核弾頭搭載ICBMの開発に成功するよりも、現時点で、北朝鮮の政権を打倒した方がいいと判断する可能性がある。

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